なずなのおはなし

なずなのつくったおはなしです

学校

アニマル王国にもちゃんと、 学校があります。

やせ太君の通っている学校は、けっこう大きい学校です。やせ太君は小学1年生です。

るり子ちゃんとも同じクラスです。たんにんの先生は、プリン先生といって、真っ白なトイプードルの女の人です。いつもニコニコしていて、まるで天使のようなのですが、うらの性格はけっこうねっけつです。でも、おもてはすごくやさしくて、声もとってもおだやかです。でも怒るとすごいことになるので、みんなプリン先生の前では怒らせないように気を付けています。

今日もやせ太君は元気に登校します。てくてくと学校への道を歩いていくと、ばったりるり子ちゃんに会って、どっきんとやせ太君のむねが高なりました。

るり子ちゃんは、やせ太君にきづくと、にっこりと笑ってかけよってきました。

「おはよう!やせたくん!」

「お、おおおはよう。」

ふ、二人きりだ…

ドキドキしながら、何とか話をもりあげようといっしょうけんめい面白い話を思い出そうとしていると、るり子ちゃんがいきなりこう言いました。

「あのね、わたし今はコンブのけんきゅうをしてるんだ!」

「え…そ…そうなんだ。」

「うん!!」

「ああ、そういえばるり子ちゃんって、いろいろけんきゅうして、いろんなもの作ってるんだっけ…すごいね…」

「うん。ねえ、わたし、コンブを甘いおかしにしたらおいしいとおもうんだ!」

「ほ、ほう…」

「あ、そういえば今日のきゅうしょくなんだっけ?」

「え…と、今日は……え~~っと…!」

「あ、きょうおさかながでるんだった!やったね!」

「……うん。」

やせ太君はメロンパンが好物です。

「で、デザートが、たしかゼリーだったような…?」

「メロンゼリーだといいね!」

「へ?なんで?」

「えっと、メロン好きだから……。メロンパンも好きだから……。」

「へえ!そうなんだ!わたしはくだもののなかではいちごがすきだよ!」

「そうなんだ。いちごもおいしいよね。」

「うん!!あと、リンゴとなしとバナナとキウイとブドウとかきと…」

はなしがもりあがってよかった…。とやせ太君はほっとしました。

 

 

gogo!アニマル

ここは、アニマル王国。

そのまんまだからわかると思いますが、アニマル王国は動物たちがくらしている国です。犬やねこ、ウサギや鳥。みんな平和に楽しくくらしています。

都会やいなかもあります。寒いところや暑いところもあります。

それでは、ぜひアニマル王国のお話を聞いていってください。

 

やせ太君とるり子ちゃん。

 

やせ太君という白ねこがいました。もちろんそれはあだ名です。

ガリガリにやせているから、みんなにからかわれてそうよばれるのです。

やせ太君は、好きな子がいました。

るり子ちゃんという白猫の女の子でした。

実はその子は、ファッションざっしにのるモデルをしているのです。

大人になったら、人気モデルになりたいそうです。

だけどるり子ちゃんはけっこう個性的な子でした。

虫が好きで、毛虫をペットにして、けむりーぬという名前をつけるし、コンブが好きでコンブの研究をするし、変な絵をかくし。だからみんな、るり子ちゃんは少し変わった子、とは思っていました。でもるり子ちゃんはいじめられませんでした。

るり子ちゃんはとてもいい子だったからです。友達思いで、やさしくて、何でも話せるような子で。...にくめない子なのです。落ちこんでいると笑わせてくれたり、なにもいわずにいっしょにいてくれたりしてもらって、元気を出せた子はたくさんいます。

やせ太君もその一人だったのです。

学校の帰り道に男の子たちにからかわれていると、るりこちゃんがやってきて、

「やせたくんは、やせてるからいいのっ!!」

と男の子に怒鳴りつけました。その時のるり子ちゃんは、やせたくんにとって、すごくかっよかったのです。そのときにすごくむねが熱くなり、るり子ちゃんに恋をしました。初めての恋でした。

 その日からやせ太君は、るり子ちゃんをぼ~っと見たりするようになってしまいました。

「るりこちゃん。コンブが好きで、毛虫をかってて、面白くて可愛くてみんなに好かれて。」

やせ太君はため息をつきました。

「ちょっと変わってる女の子。」